銀行金融との違い
企業活動の中で資金を調達する手段として“金融機関から融資を受ける”という方法が挙げられますが、現在では他にも「ファクタリング」という選択肢もあります。
海外では一般的な資金調達手段として広く普及しているファクタリングですが、国内ではまだまだ浸透していません。
融資とファクタリングの違いやそれぞれの持つメリット・デメリットについてまとめましたので、ご参考ください。
融資の特徴
融資は世間から広く知られており、「借りる」ことで資金調達を行う手段です。
必要な資金を調達することができる反面、返済の義務があるため厳しい審査が待っています。
また、審査から入金までに時間がかかるため、すぐに資金調達を済ませたい状況ではおすすめできません。
メリット
・手数料が低い
融資を受ける際のメリットとして手数料の低さが挙げられます。
ファクタリングが条件によって3~20%程の手数料が発生するのに対して、金融機関は1.5~5%程度の金利となっています。
・必要な資金を調達できる
借入したい金額が大きい場合は、審査がその分厳しくなります。
しかし、事業活動を行うために多額の資金が必要であれば融資が必要です。
デメリット
・審査が厳しい
銀行は、融資したお金を返済してもらわないと損失になります。
そのため、融資をした企業が問題なく返済を行える経営状態であるかを厳しく追及されます
・資金調達に時間が掛かる
返済能力のチェックに時間を要するため、入金までに1ヶ月~2ヶ月はかかってしまいます。
ファクタリングの特徴
ファクタリングとは、取引先からお金を払ってもらう権利(売掛債権)を、第三者に買い取ってもらうサービスを指します。
企業間の取引では、代金を受け渡しする手間を省くために後払いするのが一般的になっています。
業種にもよりますが、こうした後払いは「売掛金」や「売掛手形」と呼ばれており、回収までに1ヶ月~半年近い時間がかかってしまいます。
これでは売上は上がっていても手元に現金が入ってこないため、企業活動の妨げになります。
こうした事態を回避するために、ファクタリングを利用することで資金の早期調達を図ることができます。
メリット
・資金調達までが早い
ファクタリングを利用する最大のメリットは資金調達の早さにあります。
審査から入金までが早く、即日~数日で資金調達を行うことが可能です。
・審査が厳しくない
あくまで売掛債権の売却であり、貸付を行う融資とは性質が異なります。
売掛債権に対して、支払い義務を負っているのは取引先の企業です。
そのため自社の経営状況ではなく、取引先の支払い能力を重視して審査を行います。
・売掛を回収するリスクを回避できる
ファクタリングにはノンリコースと呼ばれるサービスがあります。
ノンリコースとは、万が一取引先が売掛金を支払えなくなった場合に備えた契約です。
仮に取引先が倒産してしまい支払いが行えなくなっても、ファクタリング会社がその回収を担ってくれます。
デメリット
・手数料が発生する
売掛債権を売却する際に、金額の一部を手数料としてファクタリング会社へ支払う必要があります。
・資金調達に限度がある
ファクタリングは売掛債権の売却であるため、債権の金額以上の資金を調達することはできません。
締め
このように、銀行融資とファクタリングにはそれぞれ「メリット」と「デメリット」があり、一概にどちらが優れているとは言い難いです。
財務状況を確認し、より現況にマッチしている資金調達方法を選択するようにしましょう。