利用する側のリスクはノンリコースで回避
利用する側のリスクをノンリコースで回避して、支払い日までの間に売掛先が倒産・破綻したり支払いをしなくなってしまった時のリスクを回避できます。
ノンリコースとは「償還請求権なし」という意味で、買取してもらった売掛債権に対して、万一支払い予定の売掛先が払えなくなっても契約者(ファクタリングを利用する側)は弁済せずにファクタリング業者が回収や損失リスクを被る契約条件です。
売掛金は先にサービスを提供して後日お金を受け取る後払い方式です。
サービスを提供した納品日などから支払い日までにはタイムラグが生じて、その期間に売掛先が倒産してしまうリスクを抱えるデメリットがあります。
そのため、複数の業者と取引をする大手の場合は、売掛金方式の支払いを認める一方で取引しても信頼できる業者なのか審査や調査を行い慎重に検討しています。
中小企業の場合は、売掛先の破綻リスクなどは契約段階で深く考えず、仕事が増えるならすぐに取引を開始するケースが多いです。
その結果、大企業に比べて中小企業は売掛金をめぐるトラブルの件数は多いです。
また、大企業は新規取引先を慎重に選定しているため、ビジネスチャンスを逃したり社内の調査体制に人件費をかけています。
ノンリコースでのファクタリングは、回収を巡るトラブルリスクを回避できるメリットのあるため、資金調達ではない目的で利用する需要もあります。
ファクタリング会社は儲かるの?
ノンリコースは売掛債権による未払問題のリスクをファクタリング業者が背負う契約条件です。
そもそもファクタリングは銀行などの金融機関から始まったサービスです。
銀行は企業の信用調査を行うのを得意にしているので、ノンリコースによるファクタリングをスタートさせました。
民間ファクタリング会社については、独自のノウハウで審査しているところもありますが、銀行ほど企業の信用を判断するスキルはありません。
それでもノンリコースをつけているのは、手数料は年利に直すと借入よりも割高で利益率が高いからです。
売掛債権は平均して1~2ヶ月以内には回収できます。短期で回収できる見込みのお金を2社間ファクタリングであれば10%前後の手数料で買取しています。
借入による資金調達と比較すると平均して年利100%ほどの条件になるので、ただ資金調達をするのではなくノンリコースという付加価値でファクタリングを利用する魅力をアピールしています。
銀行ファクタリングは3社間中心で利用する企業と売掛先の審査を入念に行いますが、民間ファクタリングは2社間ファクタリング中心で利益率が高いため、審査は緩めて全体の一部は倒産する売掛先が出てくることも前提に考えて運営しています。
また、最近では保証会社や不良債権買取会社も増えていて、民間ファクタリング業者でも提携会社と協力することで上手に倒産したり未払をする売掛金と付き合うノウハウを持っています。